地元担い手が栽培したもち米を利用して冬期作業の拠点作り!
宮崎地区樫津集落の国道に面した道の駅に隣接した(有)陶芸の里農産組合。この組合では、年間を通して丸餅やトボ餅の製造から販売まで行っています。また、団子をはじめ揚げかき餅など加工品の販売も併せて行っています。
「冬場の仕事作りで餅屋をはじめたんや」と代表の武藤吉明さん。餅屋を始めるきっかけは、平成2年に旧丹生郡の担い手で構成された丹生農業士会では農閑期となる冬場の仕事が何か出来ないかと検討を行っていました。その中で、自分達が栽培しているもち米を利用して冬場に需要が高くなる餅の製造を視野に、新潟県や石川県の先進地に視察を行いました。その年の11月に13名の担い手が出資をして組合を設立。設立と同時に国や県・町の6次化の事業を利用して、製造に必要となる工場や専用機械の導入を行い餅の販売店舗としてオープンしました。オープン当初は、従業員5名で製造販売を行い農閑期の11月~3月までの期間営業する予定でしたが、地元での評判が良く消費者が県外の親戚に餅を送る人も増えた事を受け年間を通して営業。その後、郵便局のカタログギフトにも掲載され全国的に人気が出た事で過去最高で3,000件の顧客となりました。また、餅の品質が劣化しにくいラップで個別包装する技術を確立した事で米寿のお祝いに使用される注文が年々増加し現在では年間で約400俵のもち米を使用して約34万個の餅の製造を行っています。
この組合で製造されている餅に使用されるもち米は、農業士会の4名の生産者が丹精込めて栽培したタンチョウモチを使用しています。タンチョウモチは晩生で味が良く、つき上がった餅は肌理が細かく、こしが程よい伸びのある餅に仕上がるのが特徴。そのタンチョウモチを専用の機械でつき上げる事で、通常の杵と臼でつき上げた餅に比べ柔らかくなりすぎず煮崩れしにくい雑煮に適した餅が出来上がります。地元農家が栽培したもち米を使用して出来上がった餅は、雪のように白い肌に仕上がり『雪んこ餅』と称され年間を通して膳野菜で販売されています。