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高島 嘉左ェ門(出荷者名:高島 明美)さん

2017.12.01 UPDATE

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両親から受け継がれる漬物に適した干し大根


 清水地区の北に位置する片粕町で約10アールの畑で野菜を栽培している高島さん。膳野菜の仮店舗時代から出荷を続けている生産者の一人です。高島さんは、その10アールの畑でネギやからし菜を始めブロッコリーなど様々な品目を栽培しています。その中でも特に多く栽培されているのが大根。高島さんは大根をそのまま出荷するだけでなく、漬物用に使われる干し大根にしてから出荷を行っています。
 従来片粕地区では、日野川の福井市側に各家が約800平方メートルの畑を所持していて、その畑ではジャガイモや大根が栽培されていました。高島さんのご両親の代では栽培した野菜を荷車に積み福井の街へ販売しに歩いていたそうです。高島さんは小さい頃から、両親が野菜を栽培する姿や大根を干して販売していた事もあり、膳野菜では仮店舗の時代から他の生産者よりいち早く干し大根に着目し出荷を始めたのがきっかけ。膳野菜が仮店舗でオープンして間もない頃だったので、生野菜以外の干し大根が販売出来るのかという疑問を抱きながら店長に聞いたところ「これはいい干し大根や!出してみよう!」と太鼓判をもらい、膳野菜のイベントで販売を開始したところ瞬く間に完売。高島さんは販売実績に手応えを感じ毎年干し大根として調整を行い出荷を続けています。
 高島さんの大根の栽培は、8月下旬から始まります。8月20日頃から、圃場に牛糞や元肥の化成肥料を散布。十分に土に肥料をなじませ、9月7日頃に播種を行います。7㎝間隔で播種し、芽が出て少し大きくなってきた頃に間引き。間引きした際の生育状況を確認し適量の追肥を散布。その後、大根のサイズを揃える為に生育中の大根葉の下葉で余分な箇所を掻き取ります。11月上旬から収穫を開始し、1本1本丁寧に洗い泥汚れを落とし、農作業小屋の軒下に作られた竿に綺麗に並べて干します。干し始めて約2週間経つと大根が『く』の字にしなるようになり十分に干せている目安になります。「大根を洗う事に一番注意している」と高島さん。通常、大根は皮を剥きサラダや煮物として食べられるが、漬物になった大根は皮付きで食卓に並びます。その為、高島さんは、収穫後の大根を泥落としで1回洗い、その後もう一度たわしで丁寧に洗い細かい汚れもしっかり落とし消費者が安心して食べれるよう気をつけています。現在、高島さんの家で干している大根は11月25日頃から12月20日頃まで膳野菜に出荷されます。


売り場を想定した品種選定を実施

 「宮重は干し大根に最適だけど生で食べたり煮物にした時美味しくない」と高島さん。通常、干し大根によく使われる品種は宮重大根。しかし、高島さんは総太り大根で干し大根をしています。総太り大根を栽培する事で、売り場の他生産者の出荷状況を見ながら、大根で出荷をしたり干し大根にしたりと出荷調整が自分の栽培の中で行えます。売り場の飽和状態を防ぐ事で売れ残りが少なく、生食でも漬物でも消費者に美味しく食べてもらえる事が総太り大根の最大のメリットと考えられます。買ってもらえた人に美味しいと思ってもらえる事が一番の幸せと高島さんは話していました。

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