三上健治さん(写真左) 廣部重和さん(写真右)
水田の条件不利地を活かした野菜栽培
清水地区の平坦地域に位置する真栗集落で水稲を中心に約33ヘクタールの農地を利用し経営している(農)まくり生産組合。従来、水稲の作業受託を行っていた組織を平成21年に法人化しました。法人化後は、作業受託のみで無く水田を請け負い組合自らが水稲栽培を行い経営をしています。受託している農地の中で水持ちが悪く水稲に向かない圃場があった事が組合で園芸を取り組むようになったのがきっかけ。今現在約11アールの水田を活用しタマネギや一本ネギを栽培しています。農閑期になる11月から作業が出来る事と管理面にあまり手を取られる事が少ないタマネギに着目し平成21年から栽培を開始しました。
タマネギの栽培は、9月に200穴のトレイに種をまき畝を立てマルチ掛けを行います。マルチをかける事により地温も確保でき、雑草対策にも繋がります。肥料には省力化を目的に一発肥料を使用しています。6月中旬に葉が倒伏してきたのを確認し出荷となります。1品種を大く作ると直売所に一度に出荷する事になり、売り場が物で溢れ返ってしまうのでまくり生産組合では、早生、中生、晩生の3品種に分けて作り収穫期に幅を持たし長期間売り場に出荷出来るよう工夫しています。
「東京の方では小さいタマネギが人気があるよ」と廣部さん。今年2月タマネギを定植し収穫を通常の6月にする事で小タマネギを収穫するという試験栽培にも挑戦中。近年の、野菜の消費動向をインターネットなどですばやくキャッチし、消費者ニーズを栽培の中に取り入れるようにしています。
また、昨年から組合に園芸を主に担当をする廣部重和さんが加入した事で、栽培面積を大幅に拡大してJA営農指導員より提案があった秋穫りレタスも取り入れ栽培。今年度は春と秋の2作穫りに挑戦しています。
サラリーマンから法人のメインオペレーターへ転身!
(農)まくり生産組合で園芸の担当をしている廣部重和さん。地元に住んでいた廣部重和さんは、会社が休みの時に作業の手伝いとして生産組合の作業に参加を行っていました。組合の作業を通じて、自分で野菜を作りたいと思うようになり、平成26年に県が新規園芸農家の育成を目的に実施している園芸カレッジのプラス園芸コースを受講。平成28年には会社を退職し、(農)まくり生産組合で初めての専従者となり、作業全般のオペレーターや園芸品目の作業計画の立案から作業管理までを行っています。
廣部さんは、園芸カレッジで習得した品目の一本ネギをはじめグリーンアスパラの長期穫りなどを自家製ボカシ肥料を使い減化学肥料・減農薬栽培に取り組んでいます。まくり生産組合では、将来的に水田園芸面積を増やし30アールを目標にしていると話していました。