作付品目の見直しで労力の軽減と所得向上を図る
清水地区在田で100㎡の園芸ハウスを利用してベビーリーフを栽培している朝倉さん。ベビーリーフを作るようになったのは10年前。従来ハウスではホウレンソウやコマツナを中心に栽培を行っていました。ホウレンソウの栽培を始めて2年が経過した頃、朝倉さんの年齢は73歳。ホウレンソウを栽培する作業の手間の割に売り上げが増えず体力面と所得面の課題を感じていました。その時、膳野菜の口コミで聞いたベビーリーフに着目し試験栽培を開始。栽培をしてみると、播種や防除、収穫の観点からホウレンソウより体の負担が少なく出来ると実感したのがきっかけ。
ベビーリーフの栽培は10月の播種から始まります。軟弱野菜という事もあり、夏場はハウス内が高温になってしまう為、栽培に適しません。発芽してきた頃に混み合っている所を間引きし、播種してから約2ヶ月経過した頃が収穫時期となります。ベビーリーフは病気の発生が少なく、播種時にネキリムシ対策の殺虫剤のみを使用し、生育期間中は一切農薬は使用しません。肥料は、元肥にあさひやケイフン、セルカを使用し、追肥に液肥を散布します。他の野菜と比べ生育期の作業が非常に少ないのがポイント。ベビーリーフの種子には7種類の野菜の種子が混入しており、発芽から生育期間を通して7種類の野菜は生育に差が生じます。収穫時にも生育の差が残り、他の野菜のように一斉に収穫作業を行う事が出来ないのが難点。朝倉さんは生育状況を確認しながら、生育が早いものから収穫作業に入ります。ベビーリーフの収穫は株元から2センチ程度上の葉の部分のみ収穫します。そうする事で、株元に残っている葉の付け根から新しい芽がふき、次に収穫できる葉となります。ハウス一面に敷き詰められたベビーリーフを1枚1枚丁寧に収穫し、袋に詰められ膳野菜店頭に並べられます。
ベビーリーフの高い需要
「膳野菜ではレストランのシェフが買っていくよ」と朝倉さん。朝倉さんは出荷時期に売り場を観察し、膳野菜のスタッフに聞いたところ、ベビーリーフは主婦層よりレストランのシェフが買い求めに膳野菜へ足を運んでいるようです。店に陳列されていない時には、朝倉さんの圃場まで買い求めに来るシェフもいるそうです。パン食や外食が増えてきている昨今。朝倉さんが作るベビーリーフは需要が高まって来ています。朝倉さんは、「生で口にする物だから防除は殆ど行わず水洗いをして出荷している」と話す。特に出荷の際に、7種類の野菜の混入割合に注意をしています。7種類の野菜は色も紫や赤、緑など色も様々で袋に入っている状態の色のバランスも注意しています。朝倉さんの作るベビーリーフは12月から5月にかけて膳野菜店頭に出荷されます。