山からの冷水と温度差で野菜の旨味を引き出す
清水地区の清水畑で野菜を栽培している斉藤さん。斉藤さんはトマトやキュウリを始め、管内では栽培が珍しいミカンや柿などの果樹も栽培し、年間を通して20品目以上の野菜や果樹をを膳野菜に出荷をしています。
斉藤さんは、仮店舗の時から出荷会員になり毎日出荷を続けています。最初は家庭菜園で始めていたいましたが、年々増加する転作率に対応していく為に、田んぼを畑に転換し現在では約25aの畑を作っています。
斉藤さんの栽培する野菜の特徴は二つ。一つ目は栽培方法で、栽培期間中に使用する肥料は、化学肥料とあわせて、くず大豆や家庭から出る生ごみをコンポストで腐熟させた堆肥を使用して栽培している事。また、農薬使用は最小限に抑え減化学肥料、減農薬栽培に取り組んでいます。もう一つの特徴が畑の立地条件。清水畑という集落は、清水地区の中でも中山間に位置しています。その中でも、斉藤さんの畑は山際に位置し平坦地に比べ2度温度差があります。畑には、山からの冷水を使用して昼夜の温度差から栽培される野菜は本来の味が十分に引き出され甘味が多く膳野菜でも高い評価を得ています。また、平坦地との温度差を利用する事で、同じ時期に定植をしても出荷時期が自然に遅れ、他生産者との出荷競合を回避する事が出来ます。斉藤さんが作る、ハクサイは12月上旬より店頭に出荷されます。
野菜栽培最大の課題『獣害』
「野菜栽培で一番の課題は、獣害対策やね」と斉藤さん。斉藤さんの圃場は山際に位置している為、イノシシやハクビシンなどの獣害の被害が絶えません。近年では、シカの被害も増え定植したばかりの圃場が荒らされる事がありました。斉藤さんは、野菜栽培を通して獣害対策に一番労力を割かれるそうです。周囲に竹を使った柵をしたが効果が出なかった為、道路工事で出る廃材の防止柵を利用して圃場全体を囲うように工夫をしています。最近、清水畑地区では事業を申請し、山際をワイヤーメッシュで囲い対策をしました。現在、イノシシの被害は少なくなったそうです。